事業開始時の人事労務関係の手続 (一覧)

このところスタートアップの方をサポートすることが多くありましたので、備忘録的にエントリー。

個人事業なり法人設立なり、事業をスタートさせて人を雇ったら、こんな一連の手続きが必要になります。

 

<税務署宛>

  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

→給与を支払ったら翌月10日までに源泉所得税を税務署に納付する必要がありますが、一定の条件下(従業員が常時10名未満)ではこの納付を半年に一回まとめて行うことができるようになります。7月と1月になるのですが、そのための書類がこれ。

  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm

ついでに納期限の特例についてもしておけば、1月の納期限を10日から20日まで遅らせることができます。

 

<労基署宛>

労働者を雇用するということは労働保険関係が成立することを意味するため、その届を労働基準監督署へ行う必要があります。これは事業開始or雇用開始から10日以内です。

  • 保険関係成立届

http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_2.htm (概要)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/senpaku/03.html (記入例)

また、50日以内には労働保険の概算納付をする必要があります。

  • 概算保険料申告書

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/senpaku/04.html

 

<社会保険>

いきなり社保完備の会社を設立する方がどのくらいいらっしゃるか分かりませんが、その場合には社会保険事務所でも手続きが必要になります。
http://www.sia.go.jp/sinsei/iryo/index.htm

 

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どれか提出を忘れそうなくらい、ペーパーワークが多くなることがお分かりになるかと思います。

こんな面からも、人を雇うのってほんとうに大変です。

ワンマン経営者が個人事業の延長で事業をされている分には問題ないと思いますが、それなりの人員を雇った後に一人ですべてに事務対応するのはちょっと無理がありますので、適切な方へアウトソーシングするなり事務員を雇うなりの対応が必要になると思います。

ましてや常時10名以上を雇用すると源泉税も毎月納付になりますので、バックオフィス業務は煩雑化しがちになります。

事務員の雇用は人件費負担となりかねないですが、むしろ事務員という人的戦力を戦略的につかうという発想をもって、うまく進めて頂きたいものです。